トルコの投資奨励制度は、比較対象となる多くの市場よりも手厚い制度です。企業がこれを活用できていない理由も、たいていは「適格でないから」ではありません。受けられるはずの支援に気づくのが遅い、あるいは申請に必要な手続きを誤った順序で進めてしまう——このどちらかです。
地域投資奨励制度
支援の水準は、投資を行う県と業種の組み合わせで決まります。同じ投資でも、地域が異なれば法人税減免、社会保険料の事業主負担補助、関税免除、付加価値税免除の内容が変わります。
決定的に重要なのは時期です。投資奨励証明は将来に向かってのみ効きます。証明が発行された後に発生した支出が対象であり、先に発注して後から登録した機械設備は、免除の対象外となり得ます。したがって適格性は、立地を確定する前に確認しなければなりません。
研究開発センター・デザインセンター
一定の要件を満たす研究開発センターおよびデザインセンターは、研究開発支出の損金算入の上乗せ、従業員に係る源泉所得税の優遇、社会保険料の補助を受けられます。技術開発区域(テクノパーク)で事業を行う企業には、さらに別途の免除が適用されます。
これらの優遇には文書化と報告の義務が伴います。実務で最も多い問題は、優遇を受けられないことではなく、受けた後に必要な文書化がなされていないことです。
輸出と自由貿易区
輸出企業向けの支援と自由貿易区の優遇は別個の制度であり、その要件は時期によって変わります。自由貿易区で製造を行う企業と、区内で商取引のみを行う企業とでは扱いが同じではありません。この区別を見落とすと、期待した優遇が実現しません。
実務上の要点
- 適格性は支出の前に確認する。後ではない。
- 立地の決定は、奨励制度の分析と一体で行う。金額的影響が最も大きい変数がここにある。
- 優遇を受けた後の報告義務を、カレンダーに落とし込む。
- 税率も基準額も変わる。昨年の判定を今年に持ち越さない。
制度の詳細も重要ですが、実際の差は「どの順序で意思決定したか」に現れます。優遇を失う最も一般的な方法は、それを受ける資格を生む支出を先にしてしまうことです。
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